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枝廣淳子さん講演会

 

枝廣淳子さん

2004年1月31日に開催した環境ジャーナリスト枝廣淳子さん講演会「頑張っている日本をあなたはまだ知らない〜国内省エネ先進事例事紹介〜」には土曜の午後にも関わらず、110名もの参加がありました。遠くは根室、北見、函館などから参加してくださった方もいらっしゃいました。枝廣さんからは省エネルギーの取組み事例にとどまらず、エネルギーという大きな枠組みでの話や私たちが環境についての活動を進めていく上でのアドバイスなど具体例を交えてお話をいただきました。枝廣さんのお人柄を表すようなやわらかい口調と興味深い内容にグッと引きこまれたひとときでした。

「みなさん、ファミリーレストランのキッチンでは、お店で使うキャベツのどれぐらいを廃棄しているでしょうか?」というクイズからお話は始まりました。答えは30〜40%。傷んだところや虫がついているところや外側の葉など、実に40%も捨てている。「作るのにもエネルギーがかかっているのに私たちのお腹に入る前にこんなにも捨てられているんですよ」と枝廣さん。では夏のトマトと冬のハウス栽培のトマト、作るエネルギーがどれぐらい違うか?夏のトマトはお日様の日差しを浴びて栄養満点ですが、冬の温室栽培のトマトは栄養がありません。そんなトマトを10倍ものエネルギーをかけてつくっているのです。
省エネの活動を進めていくとき、電気のことだけをやっていても限界がきます。電気以外にも広げていくことが大切と枝廣さんは続けます。先ほどのクイズで出てきたキャベツやトマトなど食べ物は全てエネルギーを使って作られています。収穫して輸送するにもガソリンなどエネルギーを使っている。お店で売るにもエネルギーを使っている(トレーや包装材を作る際にも石油や電気など)。「物を食べるときその食べ物はすべて『エネルギーの塊である』という見方ができれば、食べ物を選ぶときにも、包装の少ないものや地場で作ったものを選ぶことによって省エネ活動ができます。」

人生は選択の積み重ね
 
省エネ活動はいつでも、どこでもできます。たとえば、朝起きて歯磨きをしているとき蛇口をしめるかどうか。水をつくるにも運ぶのにも下水処理するにもエネルギーがかかっています。1日のなかでトイレの紙をどうするのか?移動するのに何をつかうのか、ジュースを買うとき缶やペットボトルなどどれを選ぶのか、コピーの紙にどんなのを使うのか?お昼休み外出するときパソコンの電源を消すのか?点けていくのか…。
「朝起きてから寝るまで選択の連続。無意識に選んでいるけれど、ちょっと意識すれば省エネになったり、地球への影響を小さくすることができたりする」と枝廣さん。

仕組みを変えることの有効さ
 
みなさんが省エネ活動を進めていて、ムダな電気は消しましょうと言ったのに、また点いていて、それを張本人に言ったら関係がギスギスして来た。こんな経験はありませんか?東京都庁では2年ぐらい前に省エネを進めようということで取組みを行ったところ一年間で2割電気使用量を減らすことができたそうです。例えば、夜の7時に強制的に照明を切ることを実施しました。職員を早く帰らせるためと消し忘れ防止のためです。残業をする人は自分の電気は改めて自分でつけに行く。そして2時間後の9時にもう1回強制消灯を行います。また残業する人は自分の場所の電気をつけにいくという具合です。「こまめに消しましょう。またついてるよ!!という活動では徹底しないし、広がらない。このように仕組みを変えてしまうのも有効な手段です」と枝廣さん。

ユニークな取組み
 
「営業所ごとに省エネに取り組んで削減できた分の半分は会社がもらいますが、半分は営業所ごとに戻します。みんなのボーナスにしていいですよ」そんな取組みを行った富山のとある会社。社員はみんな省エネに頑張って、多いところでは一人あたり2〜3万円ボーナス!となったそうです。社員もうれしい!会社もうれしい!そして地球にもうれしい!取組みです。
また、SONYではボーナスや昇給の査定に環境の側面をとりいれた評価を行っているのだそうです。
ある旅館では長い廊下の照明に、人が通ると点灯するというセンサースイッチを利用していたそうです。見た目も美しいし省エネに繋がっている。省エネを「美」としてやる方法もあるんだなと枝廣さんも関心されたそうです。
そのほか照明を消費電力の少ないタイプにするとか、LEDに変えるとかいろんな方法があります。みんなでいろいろな意見を出し合うのもいいかもしれませんね。皆さんの職場ではどうでしょうか?

省エネは新しい文化をつくる
 
省エネは、新しい文化を作っていく活動でもあると枝廣さんは言います。
それは「幸せ」ということと「物を持っている」ということを分けていく文化です。これまでたくさんの物を持っている、買えるのが幸せだと思っていた。でもそうじゃないんじゃないか。人に言われたりコマーシャルがこういっているからではなく、自分がこう思うからと自分が選んでいく、言いかえれば個々人が腑に落ちる文化、さらに地域社会や家族、自然や地球との「つながり」を見なおす文化を作っていく活動ですと枝廣さん。
この他にもたくさん興味深いお話をして下さった枝廣さん。2時間はあっという間に過ぎました。
最後に省エネに限らず何かやりたいことがあって進めることのコツを教えてくださいました。ひとつは目的はできるだけ明確にすること。2つ目はその目的に対して手段をたくさんもつことです。
「情報は手段を増やすというために非常に役に立ちます。そしてたくさんある手段から自分にあったものを選べばいいし、合わなかったり、うまくいかなかったら、落胆せずにまた別の手段を試してみればいいのです。」うまくいかない自分を責めるより次の手段、なんだか楽な気持ちになりました。


省エネを進めるには○○であるべき、○○すべき…といったことではなく、考えていること、行なっていることを淡々と語る姿に会場からも共感の声が寄せられました(アンケートより)。枝廣さんのお話しを聞いているうちに何故だかどんどん元気が増してくるようなそんな講演会でした。 終了後は、著書の販売とサイン会もあり、近著は完売、大好評の講演会でした。
(まとめ:HGF事務局)



ジャパン・フォー・サステナビリティ・JFS(Japan for Sustainability) ご紹介

2002年8月、日本の環境に関するいろんな取組みを世界につたえたいという思いで立ち上げられたNGOのJFS。浜頓別の市民風車やあきたの市民風車のこともこのJFSを通じてすでに世界154カ国の人たちに発信されました。詳しくは枝廣さんのHPからどうぞ。

ジャパン・フォー・サステナビリティ
枝廣淳子(えだひろじゅんこ)のE's Inc.

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