市民風車Community Wind Power
全国の市民風車の仲間たち
2001年9月に、「はまかぜ」ちゃん(北海道浜頓別町)からはじまった市民風車の取り組みは、北海道グリーンファンドだけではなく、地域のNPOの取り組みや、生協、自治体などとの協働によって、1基ずつ仲間を増やしながら、10年で12基、22年目の2022年には延べ39基の市民風車が誕生することができました※1。このうち、市民出資を集めた風車は23基、出資にご参加くださった方々は、延べ4,482人、出資総額は約28億円となりました。
全国の風車マップ
全国の市民風車マップ(市民出資型風力発電事業)
市民出資は風力発電事業毎にファンドを組成しているため、募集金額や1口当たりの金額は異なりますが、複数名で参加する共同出資や、ご家族、ご友人とで参加される方もいらっしゃいます。また、希望する方には、記念に風車への記銘も行われていますが、「お子さんやお孫さんのお名前を載せたい」という要望も多くあり、市民風車のオープニングイベントでは、お子さんが自分の名前を指さし記念写真という姿も見られます。市民風車への出資は、10年、15年と長い期間となるため、お子さんなどの成長や将来世代が暮らす社会を想像し、よりよい環境、未来が残せるようにと思い、参加される方も多くいらっしゃるようです※2。
また、こうした市民風車への出資がきっかになり、他の環境投資に関心をもつようになったり、もともと投資に関心があり参加した人が地域の取り組み、環境保全活動に興味を持ったり、といった波及効果もあるようです。
地球温暖化、気候変動問題、その被害が顕在化するなか、再生可能エネルギーや省エネルギーなど気候変動を抑制、緩和する取り組みや、自然災害への備え、生産拠点の移転、品種改良など被害の影響をできるだけ少なくする、厳しい環境に適応していく取り組みが広がってきています。問題が大きく、一人の力ではどうすることもできないかもしれないという無力感が漂うこともありますが、一人の力は大きな変化を作り出すきっかけにもなります。
日本では発電電力量に占める石炭火力など化石燃料による電気の割合がおよそ75%※3と高く、効率的に省エネを行う仕組みや再生可能エネルギーへの転換が十分ではない状況です。でもそれは、まだやれることがたくさんあると前向きに捉え、市民風車の取り組みで得た経験をもとに、全国ご当地エネルギー協会など、連携する仲間のみなさんとともに、地域での再生可能エネルギー利用の拡大に取り組んでいきます。
- 1 株式会社市民風力発電が開発や保守を担った市民風車の一覧につきましては、こちらをご覧ください。
- 2 市民風車など市民ファンドについては、こちらをご覧ください。
- 3 経済産業省資源エネルギー庁 広報パンフレット「日本のエネルギー2021年度版」より